「列を詰めますので、起きてください!」
竹:『zzz….!!!!??????』
・警備員からのモーニングコール
4時になると私たちは警備員さんの大声で起こされます。
野球がみたいだけなのに、なんだか奴隷みたい!!
まだ寒いし暗いです。
きっと前の方の人から起こされてるんでしょう、
5分もしたらドンドン前に詰めれるようになって
誘導されていきました。
どんどん整理されていく、私たち…
・整列完了!
「ここからは4列に並んでくださいー」
一同:「あいよー。」
整列完了です。
・そして、今更やってくる始発勢たち
始発が到着するのは5時1分らしいです。
電車を出ると同時にダッシュで階段を駆け下りる人々。
いわゆる【始発ダッシュ組】です。
竹:『これが噂に聞く始発ダッシュか!!
これを観ただけでも寝た甲斐あるぞ!!』
徹夜組A:『おい!アイツら今頃ノコノコと現れたぜ!』
徹夜組B:『今更現れたところで、何もできやしないさwww』
おいおい!!!待て待て!!!
竹:『なに言ってんだ!!!まだ5時だぞ⁉︎』
※狂いつつある高校野球ファンの価値観
・驚異の大阪桐蔭ガール
そこから1時間は待ちました。
もう前後の人とかは親近感があるので、
一種の仲間みたいになってます。
女:『これは……マズいわね。』
また、あの女性が語り出します。
(長ゼリフですが、実際は言葉のキャッチボール済)
女:『前の人が購入するチケットの最大上限数は”1人5枚”、今日の試合は土曜日、
家族連れが多くなる日ね、この場合深夜に父親が並び家族の分を確保するケースが多いの、
私たちは今駅向きに並んでいるでしょう?
今までの経験では駅から南向きで並んでおかないと厳しいわね…
おそらく外野席は席数が多いからチケットの販売は
内野席の私たちよりも30分早い、おそらく5時50分ごろね
ということは遅くても6時30分販売されるわ。
内野席のキャパから推測するに販売時間は約1時間
販売開始から50分ごろに”そろそろ満席”の
ランプとアナウンスが聞こえるけれど
それが宣告された瞬間に高架下(チケット売場の手前)にたどり着いておかないと
購入することは困難ね。ちなみに私は保険として外野席は確保してるわ。
あ!!西谷監督との2ショット写真見る?』
竹:『この女性…一体何者なんだ!?』
大阪桐蔭ファンの女性は西岡剛の時代から追っかけてるらしく、
なんの因果か娘も大阪桐蔭高校らしく
文化祭や体育祭にも行くほどの熱狂ぶり。
どうにて前世代の選手や
前前世代の選手の話、
更には前前前世代のくらい選手の進路先が教員志望で
今教育実習に行ってることも知ってる訳です。
・ついにチケット販売…!!
アナウンス:『只今より、一塁三塁特別自由席の販売を開始します』
近隣の人:『うぉおおおおおおお!』
開始しました。
ゾロゾロと列が進んでいきます
不安と希望が交錯します。
『売り切れです』ではなく
『売り切れます』という示唆しかしない看板。
自分の場所よりも遥か後ろです!!
これはいけるかもやで!!!!!!
近隣の人:『うぉおおおおおおお!!!!』
・結果
竹:『買えませんでした。しょんぼり』
近隣:『しょんぼり』
・大阪桐蔭ガールの予言、全て当たる
女:『やっぱり買えなかったわね。お兄さんも試合見れればいいわね!ではっ!』
大阪桐蔭ガールは
”熱闘甲子園を家で見たのが誤算だった”と告げ消えていきました。
(友だちが先に並んでおり、途中12時過ぎに合流)
・なぜ買えなかったか?
こっからはなぜ買えなかったか?の感想戦です。
近くの野球大好きおじさんと一緒にこの件について熱く語らいました。
竹村のようなお金を落とさないニワカとは違って
毎年観戦に来てる人なので、信憑性が高い情報です。
・土曜日
・100回目、しかも平成最後の夏
・大阪桐蔭・報徳学園・近江の近畿勢3チーム
・中央席が当日ではなく、予約制に変更された
・簡単に転売する媒体が出てきた
こんなにチケットが取りにくくなったのは
ここ最近で具体的には清宮くんが出てきたくらいだそうです。
昔は7時に行ってもチケット購入ができたのが
今では5時に行かないと内野席は確実に買えないし、
土日や好カードの試合があるときは朝4時には並ばないと行けないそうです。
おじさん:『これは…もう異常だね…』
曜日、対戦カードなんなら席の販売数は
操作できないから仕方ありません。
1人5枚制度を活用した『転売する人の存在です』
2000円のチケットが数倍の値で取引されてます
複数人で場所を交代しつつ見張り番をして大量のチケットを売りさばくのです
Twitterでも”甲子園 チケット”で検索したら沢山取引されてました。
需要があるから供給される、
ある種当たり前の経済学でもありますが、
今これが問題になってます。
大抵の投稿には
『友人たちが4人来れなくなったのでお譲りします』
と記載されてます。
もちろん実際には価格を吊り上げで販売します。
甲子園は入る前にまず私たち自身が
『金銭欲という魔物』に打ち勝たなくていけない。
これ、ほんとこれ。 転売する人から買わない。
2000円で販売してるモノなら、
せめて同じ価格で流通してほしいものです。
竹:『おじさん…かわいそう』
おじさん:『2試合目からでも観戦できる可能性があるから並ぶよ…』
と少し元気なさげに話してくれました。
そうです、今から外野席チケットに並んでも買えないのです。
・舞い降りた蜘蛛の糸
本来1試合目は見れません。
今回竹村は一人で来てましたので、
もう単独の力では入ることができません。
ですが。
希望は意外な所から訪れます。
実はチケットの販売状況をTwitterで更新をみた
知り合いの先輩からDMが入っており
販売状況の件のやり取りをしていたのです。
で、先輩は外野席に並んでくれてまして
『外野席のチケットを買っておいてくれる状態』
ができたのです。
自分が並んだ席が完売発表される少し前のことです
正直おじさんだけなら、チケットを取ることができたかもしれません。
ですが他の周りにも
わざわざ静岡県から来た新社会人2人組とか色々いたのです。
竹:『おじさん、ごめん。自分、外野席いきます。』
事前に話してはいたのですが
やっぱり数時間話した人と別れるとなると
辛いものがあります。
別に内野席に入って一緒に観戦するわけでもないのに…
でも野球を楽しみにしてたおじさんを
結果的に裏切ってしまう気がしたので悲しい気持ちでした
おじさん:『先輩いてよかったね、行ってきな!
自分は2試合目から観戦するから!』
時間は多分7時半くらい
もう大阪桐蔭VS浦和学院の練習も始まってます。
太陽も登ってきて、気温も上がってきました。
おじさんの年齢なら1人で3時間待つのが辛いはず
ああ、色々と辛い。
竹:『おじさん。もう会えないと思うので、最後に握手していいですか?』
おじ:『いいよ、こっちこそ話し相手になってくれてありがとう』
竹村は外野席にいる先輩の元に走り出しました。
さよなら、おじさん。
・なにが言いたいのか
甲子園観戦に来た話なので
チケット争奪編に関してはざっくり説明して
甲子園球場に入った段階からスタートしてもよかったと思います。
ですが今回に関しては
テレビではあまり報道されてない転売事情を知って欲しかったんです。
現時点では、
深夜から並ぶ行為もルールがない為
『早く並ばなかった人が悪い』一理あることになります。
ですが”規制ルールができれば”
それはもう”ルール違反”になります。
観戦する人もベストコンディションで観戦できます。
転売もです。
自分も商売人としては
『その時間帯にチケットがどんな価値を持つか』
はわかります。
お金が欲しくてやってる人もいれば、
本当に友達が来なくなった人もいるかもしれません。
なのでお願いです。
高野連さん、大変かとは思いますがお願いします。
新しい元号になったら
どうか”気持ちよく高校球児を応援できる環境”を作って欲しいです。
PS:甲子園は高校球児が主人公の筈なので、
もし球児の案件(ビデオ判定とか)が沢山あるなら、
もちろん後回しでも大丈夫です!
ですが、もしこっちにも時間を割くことが出来たらよろしくお願いします!
ほなほな
『さあ!竹村のあしたはどっちだ⁉︎』
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